重い想われ 降り振られ
車を運転していた男が一人に、真理子を引きずっていった男が三人。

女が遙香を含めて三人居た。

真理子の様子に、遠藤は飛び出したい衝動に駆られる。

「無理だ。男四人相手は危険すぎる。すぐに着くから待ってろ!」

橘の怒鳴り声が携帯から聞こえた。

遠藤はぐっと拳をにぎる。

廃ビルの入口に近づき、中の様子が伺えないかと耳をすませた。

女の甲高い声が響いてくる。

「よくもまぁこんなデブが恥ずかしげも無く、優斗に近づいたね!
二度と優斗に近づけないようにしてやる!」

バーンと大きな物音と女達の笑い声。

「とっととカメラ回せよ。」

男の声が響く。

「まずいよ、本当に手遅れになっちゃう。」

遠藤が小声で携帯に叫ぶ。

「今着いた。どこだ遠藤。」
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