重い想われ 降り振られ
「いや、いいんだ遠藤。俺も連絡入れようとしてたところだったから。」

橘は遠藤の肩をポンポンと叩いて、小林の前に立った。

「すまなかった。香田を巻き込んでしまったのは、俺の責任だ。」

小林の前で頭をさげる橘。

小林は頭をあげた橘の顔を、思いっきり一発殴った。

殴られた反動で、橘はダイニングテーブルにぶつかり倒れ込む。

「おおおいぃぃぃ。(松田+遠藤)」

松田も遠藤も驚いて、橘に駆け寄る。

温厚で物静かな小林が、こんな行動に出るとは二人には予想外だった。

「すっきりしたかい?」

小林は橘に手を差し出した。

橘は小林の手を掴み、立ち上がる。

「ああ、本当にすまなかった。ありがとう。」

赤く腫れた頬をさすりながら、橘はにっこりと笑う。

松田はポカンとしたまま固まり、遠藤は納得した。

「気持ち的にはもう一発行きたいトコだけど、香田さんの事が気になるからね。」
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