重い想われ 降り振られ
「そこに今回殴り倒した男達と、遙香ちゃんや関わった女の子達の名前や住所が
書いてある。データカードは使用されたビデオカメラのものだよ。
必要があれば、病院から診断書も貰ってくるよ。」

橘は顔を左右に振った。

「今回の事は、できれば大事(おおごと)にはしないつもりだ。」

橘は小林に「すまない。」と付け加えた。

「正直なところ、僕はまだ怒りが収まってないから生温いと思っているけど、
香田さんの事を思うと、やっぱり公にはしたくないだろうし、
それでいいと思うよ。」

小林も橘の意見に納得した。

「香田さんのあの姿を目にしたら、橘に非はあるのは分かるけど、
やりすぎだって僕も思うよ。あの時松田が入ってこなかったら、
僕も遙香ちゃん達に手を上げてたかもしれない。」

遠藤は松田の背中に軽くパンチした。

松田は菜奈が事に係っていたことにショックを受け、落ち込んでいた。

「菜奈ちゃんには、僕が話をしに行った方がいいみたいだね。」
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