重い想われ 降り振られ
「できるんですか?」

真理子が驚いて小林を見ると、小林は微笑む。

「整えるくらいはね。昔、親戚の女の子の髪を切ってあげたりしてたんだ。」

「お前俺の切りすぎて、結局坊主にするハメになった記憶があるんだが?」

橘がちょうどバスルームから出てきて、小林に反論した。

「相手が橘だったから、ちょっと手元が狂ったんだよ。」

二人の様子を見て、真理子はひさびさに心から笑った気がした。
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