重い想われ 降り振られ
朝一で遠藤は菜奈を捕まえて、誰も居ない会議室に連れ込んだ。

昨夜の出来事を説明し、話を聞かせた。

菜奈も驚き、少なからずショックを受けたようだった。

真理子にそこまでの事をするとは思っていなかったようだ。

言葉を詰まらせ愕然とする菜奈に、遠藤は静かに聞いた。

「どうしてあんな事に手を貸したの?」

少しの沈黙の後、菜奈は少しづつ話し始めた。

「最初に真理ちゃんと出会った頃は、友達になれてよかったって思ってた。
私は入社したときから橘さんの事が好きで、よく橘さんの話もしたし。
だけど橘さんが真理ちゃんに気がある事を知った頃から、ずっと傷ついてた。」

ポロポロと涙を流し、菜奈は続ける。

「がんばってもがんばっても、橘さんは真理ちゃんしか見ていなくて・・・。
辛かった。なのに真理ちゃんはずっと無関係を装って、橘さんの気持ちを
無視し続けていたの。それを見ていたら許せなくなっていたの。」

廊下から出社してきた、他の社員達の声が聞こえる。

俯いたままの菜奈が突然口を手で押さえ、蹲った。
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