重い想われ 降り振られ
点滴を受けながら横たわる菜奈の傍に案内され、遠藤はイスに腰掛けた。

落ち着きを取り戻していた菜奈に、遠藤は「大丈夫?」と声を掛けた。

菜奈はコクリと小さく頷く。

「真理ちゃんを陥れた罰なんだよね、きっと。」

菜奈が静かに話し出した。

「先日橘さんが真理ちゃんに告白したって松田さんから聞いて、
ガマンできなくて、仕事が終わった帰りに橘さんのマンションに寄ったの。
そこで私がマンションに入って行くのを、遙香さんって人に見られていて、
私が出てくるのを待ち伏せされたの。」

遙香に呼び止められ、菜奈は半ば強引に橘と菜奈の関係や、
橘のマンションに来た理由を聞かれたと言う。

その時に、真理子の話もしてしまったらしい。

遙香は同じ立場の菜奈に同情し、サイトの事も紹介してきた。

その上で真理子を橘から引き離して、サイト閉鎖を阻止したいと訴え、
菜奈に協力を求めてきた。

真理子が仕事を終えて、会社から出てくる事を教えてくれるだけでいいと。
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