重い想われ 降り振られ
「あははははは」

真理子の動揺ぶりに、小林は爆笑する。

小林に笑われて、真理子も顔の温度が上昇するのが分かった。

前を見ていられなくて、目線を下げてしまう。

「よかったよ、体調崩してなくて。うちの課長は毎年そうなんだ。
新入社員が断れないの解ってて、どんどん飲ませるんだ。
僕も新人の頃、課長にやられたよ。そのときは橘に助けられた。
あ・・・橘は、経理課にいる僕の友人ね。」

『経理課の人・・・?』

食堂で小林がよく一緒にいる人達の内の一人だろうと、真理子は思う。

「本当、いろいろとご迷惑おかけしました。
しかも、かなり見苦しい所もお見せしちゃったみたいで・・・」

真理子が謝罪の言葉を口にすると、小林は「気にしないで」と立ち上がった。

「とにかく今夜は遅いし、明日は休みだし、泊まっていけばいいよ。」

小林はキッチンの冷蔵庫の扉を開けて、水の入ったペットボトルを取り出して
真理子に手渡した。
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