重い想われ 降り振られ
松田はグラスとボトルをテーブルに置き、菜奈の手を握った。

「俺も卑怯者なんだよ。」

「真理ちゃんが酷い目に合ったのに、私がそうさせたのに・・・
産めるわけないじゃないですか!橘さんに振られたからって、
はい次は松田さんって、そんな簡単に乗り換えできるわけないじゃないですか!」

「いいんだよ!俺がいいって言ってるじゃん。
俺ら最初から間違えて何もかもすっ飛ばしちゃったけどさ、やり直しできるだろ?
橘の事諦めるのに時間かかるなら、それでもいいよ。
菜奈ちゃんが諦めるまでずっと好きでいられる自信あるから。
菜奈ちゃんに好きになってもらえるように頑張るから・・・産んでほしい。」

ぎゅっと握られた手が熱い。

「ごめん。少し考えさせて。」

菜奈は答えた。

「俺の気持ちは変わらない。菜奈ちゃんを幸せにできるのは俺だけだ。」

松田はぎゅっと菜奈を抱きしめた。
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