重い想われ 降り振られ
部屋の壁に掛けられている、デジタルの掛け時計の表示を確認して真理子は伝えた。

「今、夕方の6時すぎです。」

橘は真理子の唇に軽くキスをして、目を開けた。

「あの、何か作りますか?」

真理子は少し照れながら、気を紛らわせようと尋ねると
「いや、そろそろ小林が来るだろ。たぶん小林が何か準備してくるはずだから、
それまではゆっくりしてようぜ。」

橘に引っ張られ、真理子はソファーに押し倒される。

ギシっとソファーのきしむ音が、真理子にはやけに卑猥に感じた。

橘のキスを再び受け入れ、身を委ねる。

橘が真理子の胸のボタンを外し、首筋から胸元にかけ唇を這わせた。

残りのボタンに手を掛けた時、玄関チャイムが響いた。

「ちっ。」と橘は舌打ちをし、真理子を解放した。

慌てて真理子は衣服の乱れを直し、ソファーに座りなおした。

橘はインターホンに応答し、小林を確認するとロックを解除した。

「何?なんで橘は不機嫌なの。」
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