重い想われ 降り振られ
真理子は苦笑いをし、理解していないフリをした。

小林が手際よく調理を終え、三人で食べ終えた。

ダイニングテーブルのイスをそのまま使い、小林は真理子の髪を切り揃えてくれた。

腰に届きそうなほど長かった真理子の髪は、今は肩にかかるかかからないかほどの
長さになっていた。

「香田さん、短いのも似合うね。幼く見えるよ。」

小林が道具を片づけながら言った。

真理子は少し照れながら手鏡を覗き込み、確認した。

「小林さん切るの上手ですね。美容院に行ったみたいに綺麗に切れてる。
何から何まで、本当にありがとうございます。」

短くなった髪に、小林の買ってきてくれた眼鏡もよく似合っていた。

橘も満足そうに真理子を見た後、グラスに入ったビールに口を付けた。

小林も後片付けを終え、橘と一緒にビールを飲み始めた。

そして今日会社で菜奈が倒れた事を説明した。

「遠藤が言うには、妊娠3ケ月目だって。」

真理子はびっくりして身を乗り出しそうになった。

橘も驚いて口からビールを吹き出しそうになっていた。
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