重い想われ 降り振られ
「それで相手は誰なんですか?」

真理子が小林に尋ねると、小林は「あ!」と気付き説明した。

「松田だよ。春の新歓の二次会の後にね・・・橘は知ってるよね?」

橘は頷き「遠藤から聞いていた。」と告げた。

「二人とも相当酔っぱらってたらしいから、松田が強引に森川さんの家に
一泊しちゃったらしいんだよ。」

真理子は新歓の後、しばらく菜奈の様子が変だった事を思い出していた。

菜奈が辛かった時に話を聞いてあげられなかったと、真理子は悔やんだ。

「松田の踏ん張り次第だな。」

橘は呟いた。

小林も頷き
「森川さんもまだどうするか決めて無いそうだから、松田くん次第だねきっと。」

橘も小林もそれほど気にかけてなかったが、真理子は心配でしょうがなかった。

二人の会話もあまり頭に入ってこず、相槌だけを繰り返していた。

いつしか橘は酔いつぶれテーブルに頭を置き、眠り出してしまった。

それを見ていた小林は、後片付けを始めた。
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