重い想われ 降り振られ
時刻は深夜の2時を回っている。

小林のくれたペットボトルからは、ひやりとした温度が手に伝わる。

「でも・・・」

真理子の言葉を遮って、小林が言う。

「いや・・・そうじゃなくて、泊まって行ってほしいんだけど。」

「へっ?!」

「僕はもう少し本を読みたいんだ。読書は僕の趣味でね。
週末の夜は、ついついこのソファーで夜明かししてしまうんだ。
女の子をこんな深夜に一人で帰らせるわけにもいかないし、本も読みたい。
だから、僕のわがままを聞いてほしいんだ。」

酔っぱらいの介抱をしてもらった上に、部屋に泊めるなど
迷惑をかけているのは真理子なのだが、それをここまで言われると
さすがに断るわけにもいかず、真理子は素直に好意を受ける事にした。

「それじゃあ、寝室お借りします。」

真理子は小林に頭をさげ、リビングを出て寝室に戻った。

閉まった寝室の扉をじっと見つめた後、小林はまた本を読みだした。
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