重い想われ 降り振られ
沈黙する真理子に、菜奈が呟く。

「真理ちゃんにあんなひどい事して、私なんかが母親になんてなれないよね。」

菜奈の声が震えている気がした。

「そんな事ない!違うよ菜奈ちゃん。あれは私だって悪かったの。
菜奈ちゃんだけが悪かったんじゃないの。あれは関係無いんだよ。
大事なのは、菜奈ちゃんがどうしたら幸せになれるかって事なんだよ。
どうゆう選択をしたら幸せなのかって事だと思うの。」

真理子は思っていた事を、そのまま菜奈に伝えた。

菜奈は「うん。」と返事をして、鼻をすすった。

「だからね、菜奈ちゃんが本当に幸せになれる選択をしたなら、
きっと誰も文句言わないと思う。私も菜奈ちゃんが一生懸命考えて出した答えなら
どんな選択をしても、きっとそれが一番なんだと思うよ。」

「・・・うん、ありがとう。」

菜奈の涙声に反応して、真理子も堪え切れず涙をこぼした。
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