重い想われ 降り振られ
週末の午後、営業先から会社に戻ってきた小林は遠藤に呼び止められた。

「今夜仕事上がったら、橘ん家に集合って事でよろしく。」

遠藤はそれだけを告げ、去ってしまった。

すぐに橘に確認のメールをした。

今日から橘も出社していた。

橘にも連絡は来ていたらしく、すぐに返事がきた。

“メシはよろしく。”と無責任な内容だった。

苦笑いしながら小林は携帯を閉まった。

橘も遠藤から聞いてすぐに真理子に連絡を入れた。

怪我の治りも早く、真理子はだいぶん一人で動けるようになっていた。

携帯に出た真理子は、ちょうど部屋の掃除をしていたと言っていた。

橘は「無理するなよ。」と真理子に言い、電話を切った。

思わず顔が緩んでしまいそうになりながら、静かに携帯を閉まった。

溜まっていた業務を片づけ、定時に会社を出た。

駅に着く頃、真理子からの着信に慌てて出た。

「ごめんなさい。まだ会社ですか?」
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