重い想われ 降り振られ
橘と遠藤に次々とビールを注がれ、ハイテンションの松田はあっとゆう間に
酔いつぶれてしまった。

真理子が急いで用意し、橘に取りに行ってもらったケーキを出す頃には
松田はすっかり出来上がっていた。

それでも菜奈は喜び、感動して声を詰まらせていた。

酔いつぶれた松田を余所に橘と遠藤は会話を楽しみ、小林は片づけを始めていた。

真理子は小林を手伝おうとしたが断られ、菜奈とベランダに出ていた。

二人でジュースを片手に夜景を眺め、まだ蒸し暑い夏の終わりを感じていた。

「私本当は最初、一人で産むなんて絶対無理だから下すつもりだったの。」

菜奈は手にしたグラスに視線を移し、中の氷を揺らしながら言った。

「だけどやっぱり産みたいって気持ちがずっとどこかで引っかかってて、
ずっと無視してたけど、真理ちゃんと話してたら無視出来なくなってた。」

酔いつぶれている松田に視線を移しながら
「だから今日の休憩時間に松田さん呼び出して、やっぱり産みたいって言ったの。
そしたら松田さん、それを結婚OKだって勘違いしちゃって!
・・・でも、それもいいかなって思ったんだ。」
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