重い想われ 降り振られ
数日欠席しただけで、社内の様子はガラっと変化したように思える。

真理子が居ない間に二課は少し慌ただしくなっていた。

新規の大きなプロジェクトが始まっていたため、小林も奔走していた。

真理子が課長に挨拶に行くと、課長は復帰を歓迎してくれた。

課長としても、今は猫の手も借りたいくらいの忙しさなのだ。

隣のデスクに座る菜奈も、朝に一度挨拶を交わしただけでゆっくり話をしている
余裕も無く、真理子も必死にデスクのモニターを眺めながらキーボードを叩いた。

会議や打ち合わせ用の書類作りが山のように待ち構えていた。

その上、掛ってくる電話の対応もしなければならない。

復帰初日から目まぐるしく時間は過ぎ、気が付けば小林に話をする間も無く、
一週間二週間と過ぎていった。

約束を取ろうにも、小林は残業や休日出勤などで毎日忙しそうだった。

そんな状態の小林に、気軽に声を掛ける勇気は無かった。

真理子は妊婦の菜奈に残業させないよう、気に掛ける事で精一杯だった。

休憩時間も現在の二課の者にとっては、行ける時に行かないと取れない状態だ。

そのため菜奈と一緒になる事も無く、橘や遠藤達ともすれ違っていた。
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