重い想われ 降り振られ
「なかなか会いに行けなくて悪かったな。俺もいろいろ忙しかったんだ。」

橘は真理子の頭を優しく撫でた。

「いえ。私も忙しかったですし、それに・・・。」

真理子が言いかけると、ぐぅぅううっとお腹から音がした。

真理子はびっくりして橘から離れた。

真っ赤になって思わず布団の中に逃げ込む。

橘が大爆笑しているのが布団の中からでも聞こえた。

真理子から布団を引き剥がし、橘は真理子を捕まえた。

嫌がる真理子の顔を引き寄せ、キスをする。

長いキスの後、橘は言った。

「飯食って帰るか。」

橘の腕の中で真理子は頷いた。

二人は昨夜小林と食事したレストランで朝食を取った後、ホテルを出た。

車に乗り込み運転する橘を見ながら、真理子は嬉しく思っていた。

いろんな事に区切りが付けられ、今は素直に橘に気持ちを伝えられる事が
こんなにも幸せなのかと。
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