重い想われ 降り振られ
小林は真理子の頭を優しく撫でた。

隣に座る静華に気付き、声をかけた。

「お久しぶりですね。帰国してらしたんですね。」

「今日着いたばっかりなのよ。本当、びっくりしたわ。」

静華はやれやれと呆れ顔で答える。

突然静華の携帯が鳴り「ごめんなさいね。」とその場を離れた。

小林は真理子に声を掛ける。

「大丈夫?恐い思いしちゃったね。」

俯いたまま自分の手を見て、真理子は呟く。

「いっぱい血が出て、止まらなくて・・・。私、止まらなくて・・・。」

震える真理子を再び抱きしめた。

「大丈夫だから。大丈夫。」

血が付いたままの真理子の手を包み、小林は力強く握る。

そこへ遠藤と松田も駆けつけてきた。

真理子の姿を見て、松田も青ざめた。

「マジかよ・・・。」
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