重い想われ 降り振られ
橘の怪我は順調に回復していた。

翌朝には普通に目覚め、久しぶりに母親の説教を聞かされた。

夕方には小林や遠藤達も見舞いに訪れ、病室は賑わった。

松田が見舞いに持参した雑誌を見て、橘は呆れた。

「入院って言ったら、見舞いにはコレが欠かせないだろ?」

「お前の頭は未だに小学生レベルなのか?
せめて週刊誌とかマンガ雑誌とかにしろよ。お袋や姉貴だっているんだぞ!
持ち帰れ!いや、今すぐ帰れ。」

橘は松田が持ってきたエロ雑誌を投げ返した。

松田は投げ返された雑誌が床に開いた状態で落ちているのを見て、
何かに気付き橘の耳元で囁いた。

聞いた橘は激怒して、松田を一発殴った。

「そんなもんいるかっ!使いたきゃ自分で使え!」

二人のやり取りを見て、小林と遠藤は涙目で爆笑した。

嵐のように帰っていった遠藤と松田を見送り、残った小林は橘に訊ねる。

「今日、香田さん来た?」
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