重い想われ 降り振られ
嵐の夜
週明けの月曜日。

真理子の足は重かった。

唐突な小林の告白に、結局何も言い返せなかった。

「返事は急がないし、ゆっくり考えて。」

小林は、立ち尽くす真理子に優しく声を掛けてくれた。

だが会社でほぼ毎日顔を合わせるのに、どんな顔をして会えばいいのか
真理子には解らなかった。

オフィスの扉を自然と真理子は肩を窄め、
大柄で人目につきやすい体を少しでも目立たせないよう、そーっおと入った。

小さな声で「おはようございます。」と周りに挨拶しながら、
やっとの思いで自分のデスクに着く。

隣のデスクでは菜奈がすでに座っており、携帯をいじっていた。

「おはよう、菜奈ちゃん。」

真理子が声をかけると「おはよう。」と挨拶が返ってきた。

そこで真理子は『あれ?』と思う。

なんだか違和感を菜奈に感じた。
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