重い想われ 降り振られ
寒気を感じ、目を逸らす真理子。

「どうせ借金がチャラになるって言われて来たんだよな。つまり金目当てって
事だろ?ならもっと愛想良くしたらどうなんだ?」

幸治は真理子の眼鏡を手で払いのけた。

畳の上に飛ばされた眼鏡が落ちる。

幸治は立ち上がり、真理子の腕を掴んだままベットルームに連れて行くと、
ベットの上に倒された。

「脱げよ。」

幸治が冷ややかに言う。

真理子は首を左右に振り断る。

「お前ここに何しにきたわけ?金のために抱かれに来たんだろうが!」

真理子の顎を乱暴に掴み、幸治は真理子の顔に唾を吐く。

「お前共々母親もクビにして、債券を柄の悪い連中に売り渡したっていいんだぜ。
そんな事すれば、お前もお前の母親もただでは済まないんだぞ。」

真理子は目を閉じる。

幸治はニヤリと笑った。
< 213 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop