重い想われ 降り振られ
「ええっと、電気のスイッチどこだっけ?」

真っ暗な倉庫内で、真理子が目を凝らしてスイッチを探してると、
菜奈が後ろから「あっ!」と声を上げた。

次の瞬間、真理子の背後から気配がして、パチンという音と共に明かりがついた。

「橘さん!」

菜奈がうれしそうに名前を呼んだ。

「ここの倉庫のスイッチ、位置が他の部屋と違うから解りずらいんだ。」

肩が橘の胸にあたるほどの近距離。

ちょっと横を向くだけで、顔がぶつかりそうだ。

「あ・・・ありがとうございます。」

礼を言うと、橘はすぐに倉庫の奥に入って行った。

菜奈は橘の後について行き、二人は棚の合間に姿を消した。

倉庫と言っても資料室なので、それほど広くは無いが
真理子の身長よりも高い棚が並ぶせいか、室内は少し暗い。

少しドキドキしている心臓を落ち着かせ、真理子も資料を探し出す。

三人しかいない倉庫内で、二人の声が真理子にも聞こえた。
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