重い想われ 降り振られ
慌ただしく日々が過ぎ、あっとゆう間に一ヶ月が過ぎようとしていた。

社内では、泊まり込みで仕事をする者も珍しくない。

打ち合わせや会議が続き、真理子達も毎日のように残業に追われていた。

おかげで仕事にも大分慣れ、手際もよくなってきた。

小林は日中はほとんど社内にはおらず、就業時刻後に帰ってくるようだ。

社内で顔を合わせても、挨拶する程度。

小林も忙しく、真理子に構ってる時間がないのだろう。

一週間ほど前だろうか、
真理子が残業を終えて帰ろうと、会社の玄関を出た所で偶然に小林と出くわした。

疲れを感じさせない爽やかな笑顔で「おつかれ。」と声を掛けられた。

真理子も「ご苦労様です。」と頭を下げると、小林にメモを渡された。

「僕の連絡先。香田さんのも教えて。」と言われ

真理子は自分の連絡先を教えた。

「来週には今の仕事も落ち着くし、そしたら休みに一度会おうね。」

小林は笑顔で手を振って、会社に戻って行った。

その日一日分の疲れなど忘れてしまい、真理子はドキドキしたまま帰宅した。
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