重い想われ 降り振られ
「真理ちゃん真理ちゃん!聞いた?」

鞄を持ったままの真理子に興奮気味で詰め寄る。

菜奈は同性の真理子から見ても、小柄で可愛く幼い外見を持ち
縦にも横にも大きな真理子とは正反対の女の子。

「えっ、何?何かあったの?」

びっくりして聞き返す真理子に、菜奈は嬉しそうに話だす。

「今夜、新歓するんだって!」

「ちょっ、ちょっといきなりすぎない?」

「なんかねぇ、来週からすごく忙しくなるから
今週中にしとかないと駄目なんだって。」

菜奈の言葉にがっかりする真理子。

『今日は引っ越しの荷物整理したかったのに・・・。』

真理子の気持ちとは反対に、菜奈は嬉しそうにはしゃいでいた。

入社してまだ数日。

名前すら覚えきれてない人達と一緒にお酒を飲むなんて事は
今の真理子には、苦痛でしかなかった。
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