重い想われ 降り振られ
時計の針が真上で揃い、昼の休憩時間になると
会社の食堂は社員達でいっぱいになる。

給料の少ない社員達にはありがたい、
低価格でそこそこ美味しい社食は大人気だった。

食堂の窓際の席で、同期仲間の3人と社食のうどんをすすっている男がいた。

橘 優斗

入社2年目経理課の彼は、仕事も卒なくこなし女子社員達からの評判もいい男だ。

隣の席にいるのは、営業二課の小林 聖也。

橘にとって、この中では一番気が合う存在。

向かいの席に座っている2人は、営業一課の遠藤 聡と松田 康介。

橘の女子ウケがいい事に肖ろうと、何かと絡んでくるうちに
同期と言う事もあり、不本意ながら友達枠に入りこんでいた。

2人の話題と言えば、ほとんどが女性の話ばかり。

この時期は、当然ながら新入女子社員の品定めに忙しい。

「今年入ってきた女子は、結構質がいいよな。」

食堂の奥で固まって食事を取っている、女子社員達を眺めながら遠藤がつぶやく。
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