重い想われ 降り振られ
「ごはん作りにきたよ~・・・小林さんがねっ!」

菜奈がにこにこ言う。

「いきなり押しかけちゃってごめんね。
料理は少しできるから、おいしい雑炊作るよ。味は・・・橘が保障するはず。」

菜奈と小林の後ろには、橘も来ていた。

『なんで家にまできてるのっ!意味わかんない!!』

気が遠くなりそうになるのを必死でこらえ、真理子は三人を部屋に上げた。

「うわぁ~真理ちゃんの部屋ってワンルームって言ってたけど
思ってたより全然広いんだね!あっ真理ちゃんは寝ててね。」

静かなはずの室内は、一気に賑やかになった。

菜奈は広いと羨ましがったが、さすがに三人も客がくると窮屈になる。

「森川さんも橘も、一緒に食べるよね。香田さんキッチン借りるね。」

小林は食材の入った袋を持って、キッチンで調理しだした。

狭いキッチンで、鍋や調味料の場所を探すのに苦戦しているようで
パタンパタン と扉や引き出しを開け閉めする音が聞こえる。

あわてて真理子は起き出し、布団から抜け出ようとすると橘に止められた。
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