重い想われ 降り振られ
食事を済ませ片づけを終えると、三人はすぐに帰って行った。

小林が気をきかせ、長居しないようにと言っておいてくれたからだった。

静まり返った部屋は、少し寂しさすら感じる。

真理子の携帯に、小林からメッセージが届いた。

“今日は押しかけちゃってごめんね。早く直してデートしようね”

小林の優しさに、真理子は癒されていた。

薬を飲んで、再び布団に潜りこむ。

静かすぎる室内を紛らわすために、見るつもりのないテレビを付けた。

時間が過ぎるごとに、再び熱が上がってきたようで
体温を測ってみると39度をラクに超えていた。

目を開けると、視界がぼやける。

瞼を閉じると、今は考えたくもない事を思い出してしまう。

それも決まって橘の事ばかりだった。

『遊びなら遊びらしく、ほっといてくれればいいのに。』

悔しくて、涙がこぼれそうになる。

すると玄関からドアチャイムではなく、ノックが聞こえた。
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