重い想われ 降り振られ
『こんな時間に、誰だろう?』

真理子は思いながら、体を起こす。

壁に寄りかかりながら、なんとか玄関まで行き声を掛ける。

「どちら様ですか?」

普段はそんな軽率な事はしないのだが、相手を確認せずに鍵を開けてしまう。

玄関の扉を開けた所で、真理子は力尽きる。

倒れ込む真理子を、男の腕がとっさに支えた。

持っていたレジ袋が、がさっと落ちるのが見えた。

覚えのある匂い。

「戻ってきて正解だったな。」

男は真理子を抱え、ベットに寝かせた。

玄関で落とした袋を拾い、鍵を掛ける。

真理子の額に手を置き、熱を確認する。

『小林さんかな?戻ってきてくれたのかな?』

熱くて苦しいと真理子が思っていると、冷たいタオルが額に置かれた。

『気持ちいいなぁ・・・』と思っている内に、真理子は眠ってしまった。
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