重い想われ 降り振られ
「その様子だともう平気だろ。俺、一旦帰って寝て出社するわ。」

橘は立ち上がり、真理子の頭を軽くなでた。

「おい。念のため、携帯番号教えろ。」

橘は真理子が手を伸ばすより先に、テーブルに置かれた携帯を勝手に拾う。

真理子の携帯に番号を打ち込み、自分の携帯を鳴らした。

橘は満足したらしく「また来るわ。」と言い残し、部屋を出て行った。

『なんでこんな状態になっているんだろう・・・。』

真理子は再び布団に倒れ込んだ。

さきほど橘が投げてよこした自分の携帯を取り、菜奈にメールを打った。

“昨日はごはんありがとう!おかげで少し元気になったよ。
念のため、今日は会社休むね。課長に言伝お願いします。”

携帯を閉じ、真理子は嫌な事を思い出した。

『あれ?そう言えば橘さん、帰り際に何か言った気が・・・。』

「嘘でしょ?“また来る”とか・・・!」

思わず口から言葉が出てしまう。

こんな時に体調を崩した自分に嫌気がさした。
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