重い想われ 降り振られ
偽りの華
遠藤は仕事が終わると、橘の家を訪れた。

マンションの5階にある橘の部屋は、一人暮らしにしては広く、
豪華な3LDKで、リビングからは夜景も眺められる。

一人で暮らすにはもったいなく、橘が人を呼びたがる理由も解る気がする。

遠藤が部屋に上がると、橘はシャワーを浴びているらしく
一人の女性がキッチンで迎えてくれた。

茶髪の髪の長い女性は、モデル並みの顔立ちにもかかわらず
服装は落ち着いていて、派手な装飾品も無く清楚な好感のもてる女性だった。

「遠藤くん久しぶりだね。」

女性が遠藤に軽く手を振る。

「恵子ちゃん、今日も橘のために食事作りに来たの?」

「料理好きだからね。優斗も残さず食べてくれるから嬉しくてついつい・・・
さっきまで遙香も来ていて、部屋の掃除してから仕事に行ったところよ。」

手際よく調理を終えた料理をテーブルに運びながら、遠藤の相手をする。

「よかったら遠藤くんも一緒に食べて行ってね。」

料理を出し終えた頃、橘がリビングにやってきた。
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