重い想われ 降り振られ
橘は頭の中を整理して、言葉を選ぶようにゆっくり話だす。

「始めは気にもしてなかったし、小林の気持ちも知らなかったしな。
あの晩も手を出すつもりもなかったし・・・
手を出したのも気まぐれってか、いつも通りってか・・・。
手、出したらほっとけなくなったってか・・・正直、わかんねぇ。」

今度は遠藤が、口にしたビールを吹き出しそうになった。

「橘も香田に本気なのかっ!?」

遠藤も橘の隣に座る。

ネクタイの結び目を緩めながら「困ったな。」と遠藤は少し考えた。

「いつもと違った種類の女だから、とかじゃ無いのか?
だって橘も、恋愛とか興味ない系じゃなかったのか?」

「いや。そうゆう気は無かったんだけどな。
単純にそう思える相手が居なかっただけで、アイツは何か違うんだ・・・。」

橘の以外な反応に、完全に面喰った遠藤は再び考え込む。

「以外も以外。小林も橘も、よりによって何で香田なんだろうな・・・。」
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