重い想われ 降り振られ
「まぁ、橘も小林もイケメンだしな。どっちも金銭的に余裕あるし・・・
でもさぁ、二人とも女にはずっと興味無さげだったんだけどなぁ。
それ考えると、香田って何者?って思うよな。」

「金銭的って、給料はそんなびっくりするほどの差は無いでしょ?」

菜奈の言葉に、松田は以外そうに反応する。

「あれ?知らないのか。橘は親が不動産会社の社長で、今住んでる所は、
父親が使ってたセカンドハウスで、すげぇ広いマンションに一人で住んでんの。
まぁ、父親と折り合い悪くて出てきたんだけど、母親が心配だからって、
実家出る時の条件で、今のマンションに住む事になったらしいね。」

菜奈は松田の話を、黙って聞いていた。

「小林は結構のんびりしてるように見えるけど、かなり頭いいからな。
株でだいぶん儲けてるから、本当はこんな小さい会社にわざわざ勤めなくったって
十分食っていけるハズなんだぜ。
いわゆる世間体ってやつで会社務めしてるだけだしな。」

「うらやましいなら、アンタも株とか投資とかすればいいじゃん。」

菜奈に冷たく言われ、松田は「ふぅ~。」と深く溜息をついた。
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