重い想われ 降り振られ
菜奈が倉庫に着くと倉庫の扉は開いており、部屋の中は明かりがついていた。

誰かが倉庫内にいるようだ。

菜奈が倉庫の奥を確認すると、橘がファイルを閲覧していた。

「橘さん。」

菜奈は笑顔で橘に駆け寄り、橘の持っているファイルを覗きこむ。

橘は「おう。」と短く声を掛け、再びファイルに目を移した。

「そう言えば、橘さん。昨日はなんで休んだんですか?」

橘は目線を変えずに答える。

「ただのズル休みだ。」

はっきり答える橘に、菜奈はぷぷぷっと笑う。

「そんなにはっきりとズル休みしたって言っていいんですか?」

「上にバレなければいい。」

菜奈は少し考えて、橘の顔を覗き込むように顔を近づけさせる。

「わかんないですよぉ。私、バラしちゃうかもですよ?」

橘は顔を上げ、悪戯気にニコニコとする菜奈の顔を見る。

「口止め料が必要ですよ。」
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