重い想われ 降り振られ
戻ってきた菜奈は、何事も無かったかのように資料を置いた。

先ほどの事を口にはせずに、普段通りに真理子に接した。

準備もほとんど終わった頃、小林が会議室に呼びにきた。

「二人共おつかれさま。もぅお昼だよ。食堂行こうか?」

菜奈は「お腹すいたぁ。」とお腹をさすりながら作業を切り上げた。

「私の事は気にせずにお先に休憩行ってください。
私の方ももぅ終わりますし、今日はお弁当なんで。」

真理子は二人を見送った後、すでに終わっていた作業を再開するフリをした。

会議室を出てデスクに戻り、用意してきたお弁当に箸をつけた。

今朝コンビニで買ったスープを思い出し、給湯室にお湯を取りに席を立った。

給湯室では他の女子社員達が陣取り、社内の噂話に花を咲かせていた。

「そう言えば、聞いた?橘さんの事。」

「二課の森川さんと付き合っているって噂でしょ?」

「私も見た!毎朝一緒に出社してるの!」

「でも橘さんって、誰も彼女にしない人でしょ?」

「すぐにポイされるって。」
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