アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
それが、つい一週間前の話。
それから私は、バイトに明け暮れた。
働いて、働いて、働いて、働いた。
毎日、くたくた。
今日も、くたくたの状態で、帰宅。
お疲れ様です、私。
「あ」
古びたアパートに映える白い肌。
暗闇に溶けたあなたの紺色のマフラーが、少し茶色がかったあの切れ長の瞳より先に、何故か1番に目に入った。
これは何かの間違いだろうか。
「は、な、んで」
漏れた白い吐息。
あなたはただ俯いている。
白い指先が、震えている。
近づけない。
近づけるはずない、もう、あなたに。
5メートル先、もう触れたくない過去がある。
「雪」
あなたが私を呼ぶ。
だんだん距離が縮まる。
吐息は白い。