アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
あなたは罪な人。
そうやって、私をいつまでも離さない。
「あ、女の子紹介してとか?」
出てくるのは、今までに体験したことの数々。
大丈夫、私はもう無駄に期待したりしない。
「それとも、もしや私と同じアパートに新しい彼女がいるとか」
もう大丈夫。
「あっ、そういえばこの間友達の友達が、カッコイイって言ってたよ」
もう大丈夫。
「今度その子と会ってあげてよ」
もう大丈夫。
「きっと気に入…る…」
あなたが泣いた。
それはそれは綺麗に、静かに。
それから、
「ごめん」
そう、擦り切れそうな、声で。
「な、に、今更」
なんで、なんで、なんでよ。
泣きたいのは私じゃない。
いつもみたいに流してよ。
好きって言ったあとみたいに。
あの時みたいに笑ってよ。
「今更、なんで、そういうこと、言うの」
「ごめん」
「本当、勝手だよ、私、どれだけ、振り回されれば、いつも、取っ替え引っ替え、女の子、本当に、苦しかったのに、今も」
「ごめん」
「嫌い」
「…うん」
「大嫌い」
「うん」
「もう私、好きじゃないから」
「…ごめん。」