アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]


――――いいよ。

私も、あの頃の紺野くんに会いたいから。

紺野くん、今日一緒に帰れる?

あのね、マフラー買ってきたの、たまには使ってね。

私ずっと、中学の頃から、紺野くんが好きだったよ。

ごめん、私もう無理みたい。

自分から愛さなきゃ、愛される資格も無くなっちゃうよ。


―――――バカだ。

俺は一体何をしていたんだろう。

愛さずに愛されたいなんて、そんな人間が本物の愛に出会う資格なんてないのに。


「……ぅっ…」


雪、ごめん。

好きだ。


――気付いたら、足が勝手に雪の家に向かってた。

刺すように冷たい空気が、どんどん体温を奪ってく。

雪の住んでるアパートの前で、俺は雪を待ち続けた。

本当は怖かった。

雪に会うことも、雪を本気で好きになってしまったことも、

本当は、凄く怖かった。


だけど、愛することの大切さを、雪は教えてくれたから。


「…は、なんで…」

鼓膜を震わせたのは、愛しいあの人の声。

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