アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
気のせいかもしれないけど、佐々木君は、なんだか最初より機嫌が良くなってる気がする。
だから私も、なんだか元気になってきた。
怒られちゃうかもだけど、やっぱり佐々木君に相談して良かった。
そう伝えると、佐々木君はにやっと意地悪な笑みを浮かべた。
「じゃあもう何が起きてもショック受けないな?」
「え…?うん…?」
「後ろ見て」
私は、戸惑いながら後ろを向いた。
そこには、さっきからうるさいと思ってた合コン中の集団―…
あれ?
いやいやいやいやいやいやいやいや…
嘘でしょう?
だけど何度目をこらしても、そこにいるのは女の子と楽しそうに王様ゲームをやってる私のクールな彼氏。
「中原の大好きなクールな彼氏、週3で合コンしてるぜ」
「え、何、幻想?」
「学校でいつもだるそうなのは毎日深夜まで騒いでるから」
「ハハハまたまたぁ」
「中原、目が焦点合ってない」
「ハハハまたまたぁ」
「ていうことで中原のこと、このまま俺が貰っていいよな?」
「ハハハまたま…は?」
「な」
「いやいやいやいや」
「嫌?」
「そ、そうじゃなくて!えっ、何!?」
「じゃあ嫌じゃないの?」
「すみません一度色んなことを理解する時間を半年くらい下さい」
「待てるか」
待って待って待って。
今私彼氏の恋愛相談してて、なぜか同じファミレスで彼氏の浮気現場を目撃して、それから今佐々木君に――…
なんて言われた?
「あの…」
「一ヶ月」
「はい?」
「一ヶ月で答え出せ」
「嘘でしょジャイアン過ぎる」
「じゃあ二ヶ月」
「ま、まま待ってよ、そんな…なんでいきなり」
「三ヶ月でもいい」
「っ」
「…半年でもいいから。待つから。…だからもう、俺に恋話とかすんな。頼むから」
「っ!」
「…ずっと嫉妬で狂いそうだった」
end