アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
続・毒舌王子のお願い


『…ずっと嫉妬で狂いそうだった』


そんな少女マンガみたいなことを言われてからはや一か月。

正直浮かれました。彼氏に浮気されたことなんかどっかにポーンと吹き飛びました。一瞬だけ。

だって今までモテたことないんだもんしょうがないじゃんそりゃ浮かれますよ。


え、佐々木君わたしに切ない恋してたの? うわなになになにそれときめく浮かれる舞い上がるわー。今更モテ期? てかもしやわたし結構かわいいんじゃん? まじかよおお。


暫くそんなことばっか考えてました。

ええ、そりゃもう浮かれてました。


「もう中原のこと好きじゃねーわ」


佐々木君のこの一言を聞くまでは。


「……………え?」

「いやだから、もう中原のこと好きじゃない」

「………は、はあ……」

「お前なかなか返事くれねーから待ちくたびれたし飽きたわ」

「…………」

「ささやかなモテ期だったな」


はんっと、コーラをずずっとすすりながら佐々木君が笑った。なんだこいつ潰していいか。

今日は話があると言われたので、ハンバーガーとコーラとポテトを買って、公園のベンチに座ってもしゃもしゃとそれらを食べていた。

のんきに最後のポテトを食べたその時、突然佐々木君がそう言い放ったのだ。


もう好きじゃない?

へ、へー。べべべ別にいいですけどわたしも佐々木君のことなんかどうとも思ってないしー。ちょっとモテていい気分になってただけだしー。…うん。

そう言うと、佐々木君は、あっそ、と不機嫌そうにつぶやいた。


「…なに、他に好きな子できたの?」

「うん」

「かわいい子?」

「中原よりは」

「んだとこら」

「……」

「てか、じゃあ、わたしと中原君の関係は、なんなの? 友だち?」

「……ただのクラスメイトじゃね?」

「ふうん…」
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