アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
彼らしくて、私は思わず笑ってしまった。
「アキ君、私、アキ君のお母さんの祖国を愛するために、エチオピアの勉強しますね」
「うわまさかの信じてたー」
「塩入りコーヒーだって、美味しく感じられるようになります!」
「いやいいよならなくてクソマズイし」
「え 」
「あんまり俺に騙されないように」
そう言って、アキ君が私のおでこを軽く叩いた。
そうなのか、騙されないことも学ばなくてはならないのか……まだまだこの世界では知らなくてはならないことが沢山ある。
あなたのことも、あなたが生きているこの世界のことも、あなたが大切に思う人のことも。
「ねぇ気になってたんだけど、俺がもし他の人と結婚したりしたらイズミ泡になるの?」
「どうでしょう、それは正直都市伝説なのか本当なのかわからないのです……」
「え!? 嘘でしょそこハッキリさせといてよ大事でしょ!? 俺超ヒヤヒヤすんじゃん!」
「アキ君が私だけを見ていてくれれば問題無いです!」
「言うねえ……」
もし、泡となってしまっても、私はきっと後悔なんてしないでしょう。
あなたに、心は人間だと言ってもらえたから。
ねえあなたは、その言葉がどんなに嬉しかったか、分からないでしょう?
ねえ、アキ君、私はまだまだ無知だから、教えてくださいね。
あなたのこと、あなたが住んでいる世界のこと、あなたが大切に思う人のこと、
できればあなたと一緒に、知っていきたいのです。
end