アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
「で、聞きたいことってなに?」
アイスを食べながら、麦くんが問いかけてきた。クーラーの風が直に当たる位置にいる彼の汗は完全に乾き切っている。
「う、うん、麦くんもしかしたら、私がこんなだから中々言い出せないこととかあるのかなって」
「え? 言い出せないこと?」
「わ、私付き合うとかよく分からないから……、今日さきちゃんにね」
と、そこまで言いかけたとき、スマホがメッセージの受信を知らせた。
立て続けに鳴るので気になってしまい、アプリを開くとラグビー部の部長からのメッセージだった。
い、今大事な話してる途中なんだけどな……。
「そいつ、ラグビー部部長? 真っ黒の」
ベッドに座って私を見下ろしている麦くんの位置からは私のスマホ画面が丸見えだったらしい。
「う、うん……真っ黒の」
「なんでラグビー部の部長が粋ちゃんのこと映画に誘ってるの?」
「連絡先聞かれて、この間告白されて」
そこまで言うと、麦くんの表情が少しだけ曇った。
いや、そんなことよりさっきの話の続きをしなきゃ。えっと、どこまで話したんだっけ……。
「さ、さっきの続きなんだけど、麦くんは、きゃっ」
話を続けようとした時、アイスのカップを机に置いたあと、上からにゅっと脇の間に手が伸びてきて、そのままベッドに座ってる麦くんの膝の上に乗せられた。
突然の行動に驚いていると、麦くんは後ろからぎゅっと私を抱きしめて、私の肩に顎を置いた。
「む、麦くんどうしたの、あ! なに勝手にスタンプ送ってるの!」
それから私のスマホを後ろから勝手にいじってパンダが「ごめんなさい!」と土下座しているスタンプをラグビー部の部長に送信してしまった。
「男に免疫ない粋ちゃんにあの色黒は刺激強過ぎだから排除します」
確かに中性的で清潔感の塊みたいな麦くんといた私にとっては刺激が強いかもだけど……まさか勝手にスタンプを送るとは思わなかった。
「で、さきちゃんに何か言われたの?」
話題をかえるように、麦くんは少しぶっきらぼうに口を開く。
「うん、本当に麦くんが好きなの? 麦くんとHできるの? って言われた……」
「ぶ、げほっ」