アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
「……黙ってるってことは、そういうことでいいの?」
よくないよ、全然よくない。
だけど、前のようなドキドキが無くなって、ずっと生温いお湯に使っているような気持ちになっているのも本当なの。
「……分かった、じゃあ終わりにしよう」
こんな気持ちであなたとこの先も付き合って行くことが、少し不安だった。
だったらもう、この際終わりにしちゃった方がいいのかな。
私の為にも、あなたの為にも。
「……分かった、別れよう、今までありがとう……」
私の言葉を聞いて、千歳さんは一瞬目を見開いたが、うん、とだけ頷いて、私の家じゃなくて駅の方角を向いた。
「……じゃあな、貴重な四年間、ありがとう」
〝私は、大学生活の四年を全部あなたにあげたって、後悔しないです……っ〟
あの日のまっすぐな私は、どこに行っちゃったの。
扱いが雑になったとか、ドタキャンが多くなったとか、変わってしまったのは千歳さんだけ?
違う、私だってきっと変わってしまった。もっとわがままになったし、可愛げと遠慮がなくなった。千歳さんにまっすぐに思いを伝えることもしなくなった。
だけど彼は、昔の私と比べて文句を言ったことなんて無かった。
それはきっと、ずっと今の私を見ていてくれたから。