星になる~永遠の眠りにつく前に~
席替え
「…最悪…」
私はぽつりと呟いた。
黒板に書かれた【7】の文字。
そして私の手元にある【7】と書かれた紙きれ。
見間違えではないかと何度も黒板と手元を交互に見る。
でも見間違えではなさそう。
「ハァ…」
思わずため息が漏れる。
「(あーあ、この席ベストだったのに)」
心の中で文句を言いながら、私は机を移動した。
私の名前は新宮楓。
耳下のショートヘアに、栗色の髪の毛。
周りに比べて濃いめのメイク。
特別可愛くもなければブスでもない、ごく普通の高校一年生。
でも運気は誰よりも強い自信がある。
くじ引きとか、ね。
いつも運気の神様が私の側にいてくれてる。
その私が、くじ引きによって決められた席で窓際の一番前になってしまった。
端の一番前はみんなが嫌がる。
真ん中の一番前なんかより、断然先生の視界に入りやすいから。
それに黒板も見づらいったら。
「(せめて班員は一人ぐらい仲良い子入れてくれるんでしょうね。)」
そう思い後ろを向くと見事にあまり喋ったことのない子ばかり。
少し遠くを見ると私以外のイツメンの残りの子達は、班は違うものの一つに固まっている。
思わず私は空を睨んだ。
ちょっと、運気の神様。
なにサボってんのよ!
私だけこんな席なんて、酷くない?
再びため息をついて、机に顔を伏せた。