フキゲン・ハートビート
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  ☔︎


やわらかいオレンジの光の下、
夢中で交わしたあの路チューは、


――どうやらシッカリ盗撮されていたらしい。



犯人はミナミとアヤ。

カシャ、という嫌な音が聞こえてソッチを向いたら、さっきまでいっしょにバカ騒ぎしていたやつらが、ニヤニヤしながらこっちを見ていたのである。


盗撮は静止画だけではなかった。

アヤが、動画も撮っていやがった。


消せってけっこうマジで怒ったのに、ぜってーヤダと断固拒否。

ふたりの結婚式で流すネ!って、まぶしいくらいの、いい笑顔だった。


まあ、我を忘れてチューしていた、あたしたちのほうが悪いのだけど。


そのまま、連行されるみたいに別の店へ。
同窓会なんかそっちのけ。

学年全員となんてどうせしゃべんねーから、なんてトモヤは悪気なく笑っていたけど、幹事のマッチャンが聞いたら泣くだろうな。


寛人くんはもちろん、まるで他人事みたいな顔をして帰ろうとしていた。

でも、ハンダと一回しゃべってみたかったんだって、みんなにすごい勢いで引き止められて、うまいこと断れていなかった。

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