赤い雫、青い雫
手負いの女とヴァンパイア
ある日、
俺が何時ものように日課の散歩をしていたら
みすぼらしい格好をした女が森の中で倒れていた
かろうじて服と言えるであろう白い破れかぶれのワンピースには赤黒い染みがたくさん出来ていた
何事かと思い女に近づくと俺の鼻が反応する
あの、赤黒い染みは血だろう
少し近づいただけで分かるくらい女は甘美な香りを放っていた
ヴァンパイアの俺にはその香りは強烈すぎる
少しでも気を許したら理性を持っていかれそうだった
この上なく面倒な状況に見て見ぬふりをしたかったが
結局このまま放っておくことは出来ず屋敷に連れ帰る
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