龍蝶~闇に隠された愛~【上・完】
「早速使ってる。」

俺がそう言うと梨華は下を向いて「はい」と言った。

(なんだよ…この可愛い生き物は)

「お前気に入った。」

「え?」

俺がそういうと梨華はすごい顔をして野菜を取り出した。

「だからお前、梨華が気に入ったから俺の女になれ。」

(少し強引過ぎたか…?)

俺は少し不安になるが、絶対お前を奪うと決めた。

「え…や、今日初めて会ったし、何も知らないし。」

梨華はそういいネギを切り始めた。

「じゃぁ知れ。義棟高校2年。龍蝶っていう暴走族の頭だ。」

俺がそう言うと梨華はネギを切る手を止めた。

「ぼ、暴走族!?わ、私暴走族家に上げてるの!?
ど、どうしよう…。いや落ち着いて私。私には包丁が…」

しまいには変な事を言う。

「いや…怖ぇから」

俺は素直に言う。

梨華は少し怖そうにネギをまた切り始めた。
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