龍蝶~闇に隠された愛~【上・完】
「翔。よくあんた…引っかからないね。」

梨華は翔に言う。

「うーん。おれっちって影薄いのかな?」

翔は朋香みたいに明るい金髪ではない。

茶髪にすこし金が入っている髪色なのだ。

「うん。薄いね。」

梨華はそういい教室に足を進める。

「マジで!?ショック…」

翔はそういい梨華の後をおう。

「翔って…馬鹿だね。」

「え?おれっち馬鹿?」

「嘘に決まってんじゃん。友達を悪く言わないよ。」

梨華はそういい教室の席に座った。

「梨華っち…おれっち今めっちゃ感動に浸ってるよ!!」

「うん。気持ち悪い台詞を吐くのはトイレでやってね。」

梨華はそう笑顔で言う。

「えぇ~!?気持ち悪い…??」

翔がそう叫ぶとちょうど担任がきた。

「あ、先生来たから席戻ってね。」

梨華はそういい翔をどけた。

「ん?岸谷は休みか?」

「あ、にっちゃんに連行されましたー」

梨華はそう答えた。

「うわぁぁぁぁ!!!もうやだ。学校来たくないわ~!!」

そう大声で教室に入ってきたのは連行されたはずの朋香。

「あ、おかえり。」

「朋ちゃんおかえり~」

梨華と翔はそれぞれ朋香に言った。

「うぃ!にっちゃんたら説教長いんだよ~…」

〝ごほんっ〝

朋香が話をしていると担任が咳払いをした。

「岸谷。遅れてきたくせにうるさいぞ。」

「すいませぇん。」

朋香はそういい席に座った。

「絶対あれ悪いって思ってないよね朋ちゃん。」

後ろから翔が声をかけてくる。

「いつものことじゃん。今に知ったことないよ~」

梨華はそう翔に言う。

「そっか。」

翔は納得したように頷いた。

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