愛しい君に何度でも
「先輩!おはようございます」
「またか…
お前も飽きねーな」
ニッコリと笑顔でそう言えば、先輩は必ず決まって私を見てくれる。
昨日の事があったのに、変わらずに接してくれる先輩が好き。
ちゃんと私の目を見てくれる先輩が大好き。
今にも溢れ出しそうなこの気持ちを抑えて、先輩に話しかける。
「わ、私今日もお弁当作ってきました」
「え…?」
「迷惑かもしれませんけど、私は先輩に食べてもらいたいんです!」
そう言って少し強引にお弁当を渡す。
「いや…だから」
「今日は先輩が好きな出汁の効いた玉子焼きも作ってきましたよ。
だから、ね。お願いします」
私は先輩にお弁当を両手で差し出すように頭を下げた。