愛しい君に何度でも




「先輩…?」



なんて、声をかけてみる。



先輩はクルッと向きを変え、私を見た。


そして



「ありがとう」



と言った。




突然の事で何にお礼を言っているのか分からなかった。



でも先輩が



「弁当、いつも持ってきてくれたろ?

…昨日はごめん」



と頭を下げて来たので、私はビックリした。



と同時に、やっぱり込み上げてくる涙。



そんな事言われたら、これから毎日作ってきちゃうんだからね。



迷惑って思っても先輩がわるいんだから。




私は涙が止まらなくて、必死に拭いていると



「泣くなよ。俺が泣かせだと思われるだろ。
ほら、もっと拭けって」




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