愛しい君に何度でも
キリッと涙目になった目で顎を抑えながらゆずを睨んだ。
「言っとくけどソラに睨まれたって痛くもかゆくもないから。
それより次移動!早くしなさい!ほら!」
ゆずはそう言ってさっき叩いてきた教科書を私に渡した。
後ろに書いてある名前の欄を見ると私の字で書かれた私の名前が。
私の教科書で叩いたのか、ゆずは。
「ありがと…」
「どうしたしまして!
もう始まるから早くっ!!」
「あ、待ってよゆず!ちょっと〜…」
筆記用具と教科書を持って先に行ってしまったゆずの後を追いかける。
その瞬間にキーンコーン…と授業の始まりのチャイムが鳴ってしまった。
…そのあと、ゆずにどやされたのは言うまでもない。